世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた
学びまとめ
あらゆる商品は必ず陳腐化する
⇒市場が衰退しているから経営が厳しい、は理由になってない
例)クリーニング業界の衰退
「衣料再生業」と広く捉え、衣料保管サービス・洋服お直し業者・手作り風製品販売など
例)コンビニ
「顧客にとってもっと便利な存在になる」ために変革を遂げている
市場調査は「好み」がわかるが、存在しない製品の「ウォンツ」はわからない
ターゲットを絞り込みすぎない
例)大戸屋の米国戦略
米国にいる日本人ではなく、米国人をターゲットにした。市場が大きいところを充てる
例)USJのポジション変更
「映画のテーマパーク」⇒「世界最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ」
※※これが難しいんだよなあ…広すぎると響かず、狭すぎると取りこぼす。
市場構造の本質はプレファランス
プレファランス=好み
「ビールといえば一番搾りかモルツ、たまにスーパードライ」だとすると、一番搾り・モルツ・スーパードライはエボークト・セット(選択肢、検討に入る商品)
プレファランスを決める要素
- ブランド・エクイティ
- 製品パフォーマンス
- 価格
ブランドエクイティはブランド資産。(ディズニーでいう「夢と魔法の国」)
製品Pは家電や薬などのパフォーマンスが大事なカテゴリでは重要。(味の違いが分かりにくい水の場合は、ブランドエクイティの方が重要)
価格は上げるとプレファランスは下がる。ブランド価値を上げた後に徐々に値上げすれば問題ない。
売上を決める7つの基本要素
- 認知率(広告量、店頭活動、認知ドライバー)
- 配下率(プレファランス、店頭状況、取引条件)
- 過去の購入率(のべトライアル率)(プレファランス、カテゴリ購入回数、配下率)
- エボークト・セットに入れる率(プレファランス、銘柄数、配下率)
- 1年間の購入率(カテゴリ購入回数、プレファランス、配荷率)
- 年の平均購入回数(カテゴリ購入回数、プレファランス、配荷率)
- 平均購入金額(サイズ選択肢・値段、サイズ好み、サイズ別配荷率)
新規事業では「探索」と「深化」が必要
探索…未知の新分野を探す
深化…既存事業の効率を追求して組織能力を活用する
深化の方が楽
アイデアは既存知と既存知の組み合わせで生まれる
ゼロから考え出す必要はなく、すでにあるアイデアを組み合わせて新しいものが生まれる
すぐれたアイデアは、そのテーマに特化した特殊知識と、世の中様々な一般知識の組み合わせで生まれる
アイデアが生まれたら一人で考え込まず、理解ある人々の批判を仰ぐこと
情報収集⇒考え抜く⇒いったん忘れる→ひらめく⇒共有する
この5段階プロセスでアイデアが生まれる。
日本らしい働き方の源となった人たち
「修行するように仕事をする」源流となった鈴木正三(しょうさん)
「顧客への誠実さが第一」と説いた石田梅岩
「トップは無欲であるべし」と説いた上杉鷹山
マーケティング3.0が生まれた理由
- 消費者が企業よりも賢くなったから ネットにたくさんの知識が転がっており、消費者の発信情報で売り上げが変わる
- 急速なグローバル化
- ニーズを満たすだけでは消費者は買わない
プラスして社会的な課題を解決する姿勢が必要(SDGs)
強いブランドを作る方法
- ブランド・セイリエンス(ブランドの特徴):「●●といえばこのブランド」
- ブランド・パフォーマンス(性能機能)
- ブランド・ジャッジメント(客観的な判定):受賞、no.1、ランクSなど
- ブランド・イメージ(印象):どう思われてるか
- ブランド・フィーリング(情緒的反応):「このブランドを使っている人は●●」
- ブランド・レゾナンス(共鳴・共感):これがゴール=ロイヤルティ
ブランドは、顧客からどう思われるか・考えるかで決まる
強いブランドを作るには時間と労力がいる
ブランドは、顧客の理性と感情の両方に働きかけて相乗効果を生み出す
ブランドは消費者の心に深く刺さることで絆を生む
目指すのは、顧客の共鳴と共感
ブランド・パーソナリティ
ブランドに人間的個性を感じると、他ブランドとの違いが明確になり優位になる
例)無印商品
無印は寡黙・誠実で実質本位な職人
機能だけではなく、情緒的・自己表現的・社会的便益で差別化
ブランド。マネジメント(評判管理)項目
- お客様の知的子寄進を尊重しているか?
- お客様との約束を企業として責任をもって果たせるか?
- 従業員が楽しんで積極的にできるか?
- 気が利いてoriginalityがあり、心から信頼できるとお客様が受け取るか?
○が3つ以上なら、ブランド資産となるので活動実施OK。
サービスマーケティングの8P
- サービス・プロダクト(Product elements)
- 場所と時間(Place &time)
- 価格とその他のコスト(Price & other user outlays)
- プロモーションと教育(Promotion & education)
- サービス・プロセス(Process)
- 物理的環境(Physical service enviroment)
- 人(People)
- 生産性とサービス品質(Productivity & quality)
CX向上のために取り組むべきこと
- 顧客の事前期待を裏切らない
- 顧客がすぐ苦情を言えるようにする
- 顧客をさりげなく教育する
- 顧客の声を統合する
おもてなしとは
顧客にはロイヤルティ(忠誠心)なんてなく、約束されたものが手に入ればそれでOK
⇒従業員側は勘違いをしてしまう
顧客に手間をかけさせないことが大切
顧客努力はCESで測定可能(アンケートに答えてもらう)
顧客が求めるのは、期待したことが提供され、だめなら説明があること。毎回感動を与える必要はない
オグルヴィの語る「売る」広告の基本
- 広告は効能を語れ
- 商品を知りポジショニングし違いを際立たせる
- ブランドイメージを与え続け、繰り返す
- チームワークで決めるな 広告は少人数が頭を絞って考えるべき、関係者が多いと広告は失敗する
- 自画自賛よりもだれかの推薦
広告効果の4M
- なんで買うの?(モチベ)
- 何を伝えるの?(メッセージ・クリエイティブ) ⇒ABテスト(広告を見たグループ・見てないグループで結果に差が出るかを見る)
- どう伝えるの?(メディア配分)
- 儲かるの?(マキシマイゼーション)
流行が一気に広がるポイント
⇒ティッピング・ポイント
少数者の法則:流行には「コネクター」「メイヴン」「セールスマン」の3タイプの人物がかかわると広がる。
コネクター:色々な人とつながっている。このコネクターを介すと一気に広がる
メイヴン:物知り。イノベーター・アーリーアダプターに近い存在。
セールスマン:カリスマ性があり自然と売っている。説得が得意。
粘りの法則:メッセージに粘りがないといけない?
背景の力:「割れた窓理論」と同じ。時期と場所と時間の条件や状態ではやるかどうかが変わる
成功するアイデアの原則
- 単純明快
- 意外性
- 具体的
- 信頼性
- 感情に訴求
- 物語性
例)サブウェイのジャレドの物語
⇒ダイエットのためにサブウェイに通い続け110キロの減量に成功。
影響力ミックス
P(Prior)…その人が前から持つ好み・信念・経験
O(Other)…ほかの人々や情報サービス
M(Marketer)…マーケター
例)スマホを買うとき
【P】自分のスマホ経験【O】友達の意見【M】メーカーの言葉
カギになるのはOの依存度、以下の要因で決まる
- 意思決定の重要性:高額商品はOに依存(日用品は依存しない)
- 質の情報はどの程度必要か?:製品機能や品質の違いが大きいとOに依存
- リスクと不確実性:製品に問題がある等のリスクがあるとOに依存
- カテゴリの変化スピード:常に最新型が出るものはOに依存
- 人前で使う商品か?:人前で使う商品はOに依存
PもOも重要でないとき、はじめてMが影響力を持つ。(日用品など)
Oに依存する世界では、Mは顧客の関心を生むことに専念すべき
※SNSは本来Oとして利用すべきメディアなのにMとして使っていて時代遅れ
リアル店舗は体験を提供するメディアになる
ドン・キホーテでは「掘り出し物が見つかるかも」というわくわく感でドーパミンが出る
Amazonでは検索すればすぐに商品が見つかるのでドーパミンは出ない
スタッフはブランド・アンバサダーになる
サブスクリプションサービス
- 顧客にどうしても使いたいと思わせる体験・利便性・お得感を提供する
- 継続的に使ってもらうために顧客体験を高める
- 収益化により継続できる
この2つがサブスク成功のカギ。
定額利用のオンライン教育動画サービスを開発⇒ユーザーデータをもとに脱落率を下げる取り組みが可能に。
例)米国の航空会社サーフエアー
月20万定額で飛行機いつでも乗り放題。搭乗手続きも楽になった
人は、モノや人々を2分したがる
例)ヤッホーブルーイングのペルソナ設定
「水曜日のネコ」についてかなり細かくペルソナ設定をしたことで現在も売り上げ好調
振り返り
ターゲット選定はいつも難しい
本書でも、「ターゲットを絞りすぎるな」「ターゲットを絞れ」の両方が書いてあった(気がする)。
これがむずいんよなあ。クライアントさんにもよく聞かれた。
ターゲットを絞らないと、メッセージが明確にならずに刺さらないし、
ターゲットを絞りすぎると、市場規模が少なくて上層部から突っ込みが来る。
いま私がやっている新規事業でもそうだ。
「あれも」「これも」「あの人も」「この人も」と欲張りになって、結局誰のためのサービスなのかよくわからなくなってしまう。
これって永遠の謎なんですか。
「ユーザーとのロイヤルティ」は幻想
これは真理だなあ…と思った。
企業は、ユーザーと強い絆で結ばれていると勘違いするが、消費者側からするとそんな忠誠心は一ミリもない。
なので、ちょっとでも値上げしたり品質下げたりしようものなら、速攻で離れるぞ。
ってことを企業側も理解すべきなのよねえ。
マーケティングの復習が出来たと思う
50冊を1冊にまとめているので、内容自体はひとつひとつは浅め。
ざっと目を通して、もっと理解を深めたいところだけしっかり別本を読んで学ぶという進め方が良いと思う。
言葉が分かってるだけでもググりやすいし、新人マーケターは一回ドカンとインプットしてもいいかもね。