読書・映画記録

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【読書】チーズはどこへ消えた?

チーズはどこへ消えた?

著者:スペンサー ジョンソン

2000年11月27日発行(日本)



 

今年の目標「読書月5冊」が、2月にして未達の可能性が出てきて焦っています。

ずっと手元にあって読んでなかったビジネスマン必読書を読んでやる気ターボをかける。

 

学びまとめ

変化は起きる

前提として「変化することが当たり前」だと思うことから始まる。

「進化論」を提唱したダーウィンの名言で以下のような言葉があるが、まさにその通り。

最も強い者が生き残るのではなく、

最も賢い者が生き延びるのでもない。

唯一、生き残るのは変化できる者である。

 

よく歌の歌詞でも

「ずっとこのままがいいね」「いつまでも変わらない僕ら」

というもの多いですよね。

人間以外は確実に変化していく中で、果たしていつまでも変わらないことが良いことなんだろうか?

なんて思ったりしました。ふふ。

 

変化を予期せよ・探知せよ

変わることが当たり前だと思えたら、その変化をすぐにキャッチできるように予期・探知することが大切です。

「こういうことが起こるかもしれないな」と常に想像できる力を養わないといけません。

作中、ネズミたちはチーズがだんだん少なくなってきていることに気づいていたので、チーズが無くなってもさほど驚きはしませんでした。

 

変化に素早く対応せよ

変化を感じ取ったら、素早く対応することは人生においてとても大事。

これができないんだよなあ。

この本の中でも、ネズミの「スニッフ」「スカリー」は、チーズが無くなってすぐに新しいチーズを探しに行きました。

でも、小人である「ヘム」「ホー」の二人はいつまでも動けません。

 

前出のように、ネズミたちはチーズの変化に気づいていたのですぐに行動に移せました。

一方小人たちは、突然チーズが無くなったことに驚き・嘆き・怒り、しばらく何もすることが出来なかったのです。

 

人間は賢いがゆえに複雑に考えてしまう

作中、ヘムたちは賢いがゆえに色々なことを考えます。

 

「なんでチーズが消えたんだろう」

「どうしてこんな目に合うんだ?」

「実際は何が起こっている?」

この分析が、物事を複雑にしてさらに動けなくしているのです。

 

また、賢い頭脳を持った小人は、賢いがゆえに変化する恐怖を感じてしまったのです。

動いたら道に迷うかもしれない。

新しいチーズは見つからないかもしれない。

待っていたらまたチーズが出てくるかもしれない。

そして自然と、変化しない道を選んでしまいます。

 

動かない言い訳っていくらでも出る

この本の中に、ヘムが新しいチーズを探しに行かない言い訳がたくさん出てきます。

  • 「このステーションのことはよく知っているから安全」
  • 「ここが居心地がいいから」
  • 「他の場所は危険だ」
  • 「他を探す元気はないだろう」
  • 「見つけられなかったらどうするんだ?」
  • 「新しいチーズは好きじゃない気がする」

本を読んでいると「ウワー…」って思うんだけど、自分の身にも覚えがあったりします。

やらない理由ってめちゃめちゃ出てくるんですよね。

動くと恐怖は消える

人間の恐怖は「分からないこと」にあると思います。

意外と動いてみたら、恐怖はただの杞憂だったことに気づくのです。

心配事の9割は起こらないらしいですからね。

作中、ホーは一人でチーズを探しに出発しますが、実際に歩き出すと恐怖は一切消えている様子が描かれています。

やってみると、案外すんなり行ったりするんですよね。

 

変化を楽しむ

この本の中で、ホーがしきりと伝えるメッセージが「変化を楽しむ」ということ。

変化って怖いことではなく、楽しいことなんだよ!って思えたら、確かに足取りは軽くなりそう。

変化が怖いと思っているのは人間自身が作り出しているだけですし。

 

「新しいチーズ」を想像する効果

ずっと古いチーズにしがみつくのではなく、新しいチーズに思いをはせる事。

もっとおいしいチーズが手に入るかもしれないという希望は、人間に動く力を与えてくれます。

ビジネスも同じ、今あるビジネスだけではなく、もっといいビジネスがあるのではないかと想像することは大事。

 

「チーズ」には寿命がある

作中はチーズでしたが、ビジネスにもチーズと同じように寿命があります。

成功したビジネスも、時間がたてば古いものになってしまうのです。

いかに勇気をもって古いチーズを捨てられるか。

 

振り返り

何かと人のせいにするサラリーマン

作中にあるヘムのセリフですごく印象に残ったのが以下。

チーズが急に無くなったことに対するセリフです。

「我々には権利がある」

「この事態は我々のせいじゃないからだ。誰かほかの者のせいなんだから、我々はこうなったことで何かをもらうべきだ」

変化が起きたとき、自分を被害者だと勘違いする人が多いと思う。そう私含めて。

自分が被害者になれば、助けてもらえると思っちゃってるんですよね。

これは日本に住んでいるから、そういう考えになっちゃってるのかもしれません。

 

例えば、勤めていた会社が倒産してしまって職を失った場合とか。

日本だと「被害者」に近い扱いになって、補助金とか色々出ますよね。

でも、倒産という変化に気づけなかったとも言えます。

(上層部が倒産をひた隠しにしていた可能性もありますが…)

 

会社に勤めている以上、その会社が倒産するリスクは少なからずあるので、その時のために自分のスキルを高めておくとか、次の会社を探しておくとかは大事なんだろうなあ。

 

シンプルに考える、難しい

「物事を複雑に考えすぎてしまう」という学び、とても耳が痛いです。

私は、実際に起きた事象を複雑に考えすぎる癖があります。

というか、ちゃんと事象が起きた背景・理由を分析しておかないと、また同じことを繰り返してしまうんじゃないかと怖くなっちゃうんですよね。

作中のように、突然チーズが消える事象が起きたら、原因を明らかにしたくなるのは仕方ないのでは?と思ってしまいました。

例えば、他の生命体がチーズを食べつくして無くなったのであれば、チーズを探す前に他の生命体をなんとかしないとまた繰り返しますし。

チーズの在庫が無くなっちゃっただけであれば、どれくらいの在庫で何日分持つのか計算できれば、次は戦略が立てやすいだろうし。

チーズが腐ってしまったのであれば、チーズを腐らせない方法などを考えられますし。

 

もっとシンプルに考えた方がいいとわかってはいるけど…ううん難しい。

 

私はヘムだなあ

作中の登場人物4人の中で、自分が一番近いのは「ヘム」かなあと思う。

変化に気づかず、変化が起きたことに悲しんだり怒ったりする割には、変化しない言い訳を並べまくって結局動かない。

あげく、「私は被害者だ!」とわめき、他の人になんとかしてもらおうとするかも。

こうしてみると、私って結構クズだな……。